〇6つの重要分割図:シャドバルガ〇
ラーシD1:全体。6p
ホーラD2:富。2p
ドレッカナD3:兄弟姉妹。4p
ナヴァムシャD9:配偶者及びその他全般。5p
ドワダシャムシャD12:両親。2p
トリシャムシャD30:悲しみやトラブル,死。1p
〇分割図の解釈方法〇
【c23パンワルの25頁】
「分割図は,D1と同じように読む。D1と独立して,そして関連付けて。」とし,
・ラーシの1LとDの1Lの友好関係をみる
・関連分割図でハウス展開をする(例:母親を読むのにD12の4Hをラグナとして読む)
・星の強さをみる(例:兄弟をみるのに,D1とD3での火星の強さをみる)
といった6項目が挙げられている。
【ボニー㉖:電子書籍につきページ数引用不能】
・1H,1Lと関連する部屋とその支配星,カーラカからの部屋をみる。例:弟妹:D3の3H,3L,D3の火星からみた3Hをみる。
・もちろん,惑星の状態(自室や高揚,ドシュタナ在住など)もみる。
・「D1,D9,そして関連する分割図にある程度共通していることだけが将来起きる」
【まとめ】
①惑星の強さを計量し
②テーマに関係するDの部屋と支配星,カーラカをみる
ということで間違いない。
当然,Dは出生時刻の正確性に敏感なので,②を使うときにはラグナや星のずれに慎重でなければならない。
蟹座と獅子座のみに惑星が配当される,見た目,特殊な分割図。
具体的な読み方を示した書物やケーススタディは極めてレア。
しかし,分割図としてのポイントは低くない。
金運を読み取るのに使ってみたいところ。
【作り方】
奇数星座では,最初の15度が太陽ホーラへ,残りが月ホーラに配当。偶数星座では逆に配当。
【メータ③409頁】
〇太陽ホーラ:凶星,男性星在住がよい,というのが原則。
・在住が多いと,フェアな方法で稼ぐ,ただし心の平安を害しやすい
・日と火が奇数星座かつ太陽ホーラ在住:勇敢,高い地位
・月在住:心の平安を害する
・5Lと男性星在住:子供が男の子 などが紹介されている。
〇月ホーラ:吉星,女性星在住がよい。
・吉星,女性星在住だと,ハンサム,魅力的,幸運
・アセンダントが偶数星座かつ月ホーラ:努力なく稼ぐ
・金星在住:魅力的,妻の出自がよい
・水星在住:知力や学歴向上
・偶数星座の木星在住:高い地位,しばしば金融関係職
・5L在住:子供が女の子
【チョードリーc24の80頁】
・太陽ホーラ:ホーラにある惑星のADまたは太陽のADに,自分の努力で稼ぐ。
・月ホーラ:ホーラにある惑星のADまたは月のADに,自然に努力あまりなしに稼ぐ。
・その後の事例解説で,「太陽ホーラに惑星が多いので,この人は富を増やすために働く」といったリーディングがされている。
【私見】
基礎的な解釈情報が圧倒的に足りないが,太陽ホーラに日火土,月ホーラに月金木があるかは,富の獲得に影響するはずなので,チェックしたい。
また,太陽ホーラ優位:努力で稼ぐ,月ホーラ優位:幸運で稼ぐ,というのも視野にいれよう。
基本は兄弟関係だが,病気や職業判定にも使えるようである。
実は分割図としてのポイントは,D9についで高い。
【作り方】
最初の10度の星はそのまま,次の20度の星はそこから5H,残りは9Hに配当する。
例:アセンダントが蠍座の14度=2THドレッカナ。よって,そこから5H目の魚座にアセンダント配当。
【メータ③417頁】
・サルパドレッカナ(蟹座のⅡ・Ⅲ,蠍座のⅠ・Ⅱ,魚座のⅡ・Ⅲ)に月が在住すると執念深くなる
・D3の3Hに凶星があると兄弟との関係はよくない
・D3の3LとD1の1Lが友好だと,兄弟との関係は良い
・D3の8H(=22D)に土火ノードが絡むと暴力的な死をとげる
といった,いくつかの法則が紹介されている。
【パンワルらc23の145頁等】
兄弟の有無の解説の文脈で
・D3の11Hに8L,ノード,太陽の影響があることをもって,兄姉なしの理由のひとつとしている。
・D3の3Lが12H在住で土星とコンジャクト,火星が土星のアスペを受けていることをもって,弟妹なしの理由のひとつとしている。
その他,同書には,キャラクター判定,職業判定,病気の判定など多数掲載されている。
惨めさと幸福,性格をみるのに使う。
【作り方】
奇数星座では,最初の5度が火星,次の5度が土星,次の8度が木星,次の7度が水星,残りが金星に配当される。
偶数星座では,これが逆順になる。
奇数星座在住星は,奇数星座に配当される。よって,蟹座と獅子座に配当はない。
例:D1で,山羊座の7度に木星が在住 →水星支配の陰星座つまり乙女座に配当。
したがって,5度以上の幅をもつので,出生時刻については実はD7より鈍感である。
出生時刻が20分動くと,かなり高い確率で星の位置がずれることになる。
【メータ③423頁】
「ラグナまたは月がD1で金星星座にあり,D30で水星星座にあると音楽の達人になる」といった法則が9つほど紹介されている。※具体的なケース検討例は書いていない。
【ゴエル㉔31頁】
結婚しないパラメータのひとつとして,「D30の7H及び8Hがアフリクトされていると結婚を妨げる。吉星に関連すると結婚をもたらす」としている。D30を用いた未婚事例を2ケース紹介しており,
事例①(マザーテレサ):D30,蠍座ラグナで,7Hにノード2つ・木星のアスペクト。8Hに火星在住・土星のアスペクト。8Hには生来的凶星の影響しかない。
(※しかし,7Hに木星のアスペクトあるし,火星は1Lだが・・・)
事例②:D30,ふたご座ラグナで,1Hに日月ノード2つ,4Hに木星,5Hに火星の事例で,「7Hには太陽のアスペクトを受けたケートゥがある(※誤植?)。8Hは火星のアスペクトを受けている」との解説が付されている。
(※8Hには木星のアスペがあるが・・・)
【私見】
具体的な適用事例は,上記ゴエル氏のものしか,今のところ,ない。
とりあえず,D30の7H8Hアフリクトがあれば,非婚の可能性を疑いたい。
分割図としての点数は低いので,使用はその程度で十分か。
読み方は,D1と完全に同じように読むか,7Hのみをみるか,違いがあるようである。
【メータ③410頁】
分割図の基本は星の強さを測るところにあるとし、D9は、人生の全領域、特に結婚生活、配偶者の特徴、結婚のタイミングなどについて診ることができるという。星の強さやラージャヨガの数をバースチャートと比較したり、10H支配星から職業を類推する(同414頁)。なお,D1と同じようによむ(413頁)。
【ゴエル㉔13頁】
もっとも一般的なD9の使い方は,星の強さを測ることであるとして,D9での高揚や減衰,よいラーシにいるかどうかをみるとしている(ボニー㉖も同じ)。
【K.N.Rao㉘の179頁)
「より微細に隠された惑星の特徴を読み解くことができます。おもに、結婚運や人間関係をみるときに使います」
【BPHS8章】
D45、D60が全領域と明記されているのに対し、D9は配偶者としか書かれていない。
【デフォー②113頁】
まずは星の強さをみるために使う。南インドではD1と同じようによむ人が多いが,結婚関係にしかD9を使わない占星術師もいる,とする。
【リヤン⑱60頁】
伝統的には結婚に関連する。9はダルマであるがゆえに,自分がどのような理想をもっており,D1から読める人生に満足するかどうかが分かる,と書いてある。D9の5Hは,人生や結婚から学んだり成長する能力を,6Hは結婚や人生で生じる敵を,10Hは人生や結婚がこの世界に与える影響を,11Hは人生や結婚から得るものを表すなどとも書かれている(前段と後段の論理的リンクが微妙・・・・)。
【私見】
ひと昔前は、20代前半で結婚し、配偶者関係=人生後半でもあったかもしれないが、晩婚化し離婚や独身がふえた現代の日本でそれを維持してよいかどうかは慎重でありたい。
個人的には、伝統にしたがって、D9を、結婚関係及び星の強さ、D9上のディスポジター確認以外で使うのには慎重でありたい。ただし,「D9上の星の強さや位置によってD1上の結果がかわる」という意味で,人生全般に影響が及ぶことは否定しない。
ちなみに,D9上でアスペクトを考慮しない流派も根強いようである。
【ゴエル㉔103頁】
婚期に関するナーディルールの紹介の文脈で,「土星と木星がD9のラグナまたは1Lにコンジャクションまたはアスペクトするとき」という条件が紹介されている。D9でもトランジットが作用する前提とよめる。
【ゴエルc27の2頁】
分割図解釈ルールの7番目に「トランジットは分割図において適用可能である」と明記してある。ただし,諸説あるようである。