ナディ占星術 関係


n1 :④Satyanarayana Naik 「Revelation from Naadi jyotisha」sagar publications (★★★★★★)

 

 ナーディ占星術の基本的なところを網羅した良書。職種や結婚,病気の論点解説,レメディやワーストゥのさわりまで含む。アヤナムシャはラヒリ,ノードはture 採用(同書95頁)。女性の身体やキャラクターは金星でみている。ホラリーチャートも参照せよと書かれているが(85頁),プラシュナの具体的記述はない。著書は後記のR.G.RAO氏のお弟子さん。

 通常の占星術の解説やナーディとの比較もあり,通常の占星術では「D9やアルーダ,月ラグナなどをみる」(7頁)など,アルーダを含めているところも興味深い。

 

 

 

n2: ⑥D.A.Negandhi  「Essence of or researches on nadi astrology vol4」(★★★★★)

 

  ナーディ占星術の論文集。各惑星の組み合わせ、トランジットの影響、強さの評価など、実践的な内容が嬉しく、とても役に立つ。imaginaly exchange なる珍しい星座交換が紹介されており、独自説かどうか不明。誤字がきわめて多い。本の半分は、本書の推薦文など。

 

 

n3: ⑨Dr.Soundar Divakar 「Naadi astrology predictive rules」V.Lmedia solutions(★★★★)

 

  BVラーマンのアヤナムシャ使用。基本ルールとともに、惑星の組み合わせ表、215の軽い事例解説つき。職種に関する項目がないのが残念だが、それ以外は満足できる内容。

 

 

n4 :⑪s.naik 「Orbital providence」 sagarpublications (★★)

 職種判断中心。115のチャートを解析。星座の象意とナーディアスペクトでの星の関係から職種を導くが、今ひとつ後付け感が拭えない。

 

 

n5 :R.G.Rao 「Bhrigu Nandi Nadi」Ranjan publications(★★★)

 

 多くのナーディ占星術の書籍でこの本が引用されており,業界のバイブル的存在のようである。内容は,503のホロスコープのリーディング例の羅列。表題のナーディ古典を英語に翻訳した書籍のようである。兄弟数,結婚の時期,職業,よい時期と悪い時期,死期などがひたすら語られる。リーディングの根拠はほとんど示されていない。ただし,リーディングの根拠を推測するのはそれなりに勉強にはなる。たまに前世リーディングがあり、面白い。木星を後ろの星座にずらすと前世のホロスコープらしい。

 

 

n6 :Vikaram Divakar,Soundar Divakar 「Language of Rahu naadi rules explained」Notionpress(★)

 BVラーマンのアヤナムシャ採用。水火金星が30年で次の星座に動くシステム(つまり,人生の前半と後半でラーシが異なる)。木星土星のトランジットも特殊。独自ルール(?)が多すぎて苦しい。木星土星のトランジット効果表(1週目,2週目)付き。女性も木星でみているようだ。

 

 

n7 :Dinesh S.Mathur 「Vedic Progression secrets of Bhrigu Samhita and Nadi Granthas unreveiled」sagarPublications(★)

 ナーディ占星術。ダシャーロードがチャート上動くことを仮想したり,逆行する木星をそのまま逆行方向に進行させたり,独自ルール(?)多し。アルーダをかなりの頻度で使いたおすのは勉強になるが・・・・・。

 

 

n8 :r.Shanker Adawal 「Bhrigu samhita」sagarPublications(★★★★★)

 ナーディ占星術。ブリグナンディナディから引用された88のチャートのリーディング内容,それに対する著者の占星術的根拠の解説。ゆえに,チャートそのものは12番で出てくるものとかぶる。意外に,リーディング+その根拠という書籍は少ないので,非常に貴重。使用されているルールもシンプルで応用がきく。

 女性は金星でみているようだ。 

 

n9 :Guru rajesh 「Sarfarosh: A Naadi Exposition of the Lives of Indian Revolutionaries」Notionpress(★★★★)

 

 108人のインドの革命家のチャートを解説+彼らの人生についても解説したもの。本の冒頭にナーディ占星術のルールのまとめがあり,極めて有用。よく整理されている。チャート解説は,占星術に関連しない伝記的記述部分も多いし,職業が革命家に偏っているのが,やや残念ではあるが,良書といってよい。

 

 

n10:Jitendra Trivedi 「New Marvels of nadi astrology」saptarishispublications(★★★)

 

  兄弟,学歴,結婚,子供,職業など,必要な論点は網羅している。ナーディ占星術の基本ルールも掲載。でも,アスペクトが1,5,9,3,7,11,2,12って,どうみても多すぎ・・・・事例解説も後付け感をぬぐえず。男性は火星,女性は金星または月でみる流派らしいが,パーソナリティ診断など,男は木星でみているところがある(21頁など)。

 

 

 n11:C.S.patel 「Arudha system of prediction」sagarpublications(★★)

 

アルーダの解説書。著者は西インドのムンバイ在住。アルーダの基本解説とともに、deva keralamやbhrugu nadiなど、ナーディ文献でアルーダに言及された句を抽出して整理してある。アルーダ決定には例外則使用、しかもアセンダントが偶数星座の場合ウパパダをA12ではなくA2にとる流派。基本、例えば「A12に金星があり固定星座生まれなら寄付にお金を使う」などの句の紹介。もっとも関心のあったA10は2ページしかなく残念。実用性には少し遠い。気になっていた、例えばALからみた11室とA11の違いも言及なし。

 A10からの職種判断など,アルーダの実用的な詳しい解説書がほしいが,本書ではそれになりえない。

 

 

n12 :C.S.patel 「Nadi astrology」sagarpublications(★)

 

 技法というより、複数あるナーディ文献の説明と整理、アガスティアの館などのナーディリーディングに対する占星術各者の反応(すさまじく当たった、当たってない、空き時間にリサーチ担当者がいる、など)の分量が多い。月とラーフの中間点ブリグビンドゥ、木星など星の一周期(ネータルポジションに戻る時の効果)パラヤヤなどマイナー技法について、ナーディ古典からの句の引用あるが、形式的抽象的すぎて実用性はない。

 ナーディといっても、アセンダントやアシュタカバルガ,分割図を用いている古典もあるし、amsaという各星座の150分割(それぞれに固有の名前がついている)を用いる古典もあるなど、色々あるらしい。150分割というと、D60以上の精緻さである。

 

 

n13 :C.S.patel 「Navamsa & Nadi astrology」sagar publications(★★)

 著者の論文集。D9の位置づけ,D9におけるトランジットの影響,トランジットの星の間におけるコンジャクションの影響,ヴィパリタの成立要件など,興味深いタイトルが並ぶ。しかし,「1Lと6Lがトランジットでコンジャクションする場合,敵が支配下にはいる。ただし,1Lが弱い場合は逆(パラディピカ16章5-33)」など,基本的に古典の引用が並ぶばかりで,イマイチ実用的ではない。文字も小さくて読みにくい。アルーダや逆行の項は目次にあるが,落丁で欠けてた( ゚Д゚)。

 この著者は,占星術師というより学者っぽいので,もう買わない。ナーディ文献からの引用が多いので,一応ナーディ占星術の本に分類しておく。

 

 

n14: R.G.Rao 「Fudamentals of Raos system of Nadi Astrology」著者による出版(★★★★)

・アスペクトは2,5,7,9,11H,男は木星,女は金星でみる(13頁)。ただし,その後3Hのアスペクトもでてくる(18頁)。

・複数の惑星がコンジャクトしている場合は,度数にしたがって,きちんと並べて解釈する。土金水月なら,仕事で裕福,知的,アート。妻(金)は賢く(水),優しい(月)(22頁)。

・裏表紙にインドの地図が惑星とともに載っており,パキスタン地方はラーフ,ヒマラヤ西部地方は木星,ミャンマーはケートゥ,インド南西は金星らしい。旅行先の予言に使えるかもしれない。

 ・薄いが,基本はすべて解説し,職業関連に重点を置いて説明しているのが好感がもてる。土星と,1,2,3つくらいの惑星の組み合わせを各1行くらいで説明してある。月+金は,妻の出身が遠いことを示し,金+月は妻がアート的傾向を有する,など,理論的にも精緻である(12Hは出身,2Hは持っているものを示すので)。ただし,3Hまでアスペクトはさすがに多いと思うので,ちょっとだけ残念である。基本書のひとつとして,折をみて読み直したい。

 

 n15: R.G.rao 「Essence of Nadi Astrology」research institute of nadi astrology(★★)

 ・3,7,11Hにアスペクト,かつ同じ方角の星座在住惑星はすべてコンジャクトしているとみるので,なんでもアリになってしまっている。

 ・3-4つの惑星のコンジャクトをひたすら説明し,254の項目が単純に並列されており,まったく整理されていない印象。月+水星でそこから9Hに火星がいる場合,月+水星で,母は(父の)親戚筋から嫁いだ,火星から母が病気気味である,など,そういった解説が本の大半を占める。

 ・あまりにも整理されていないし,コンジャクトの読みが正しいのかどうかも担保されていない。

 

 n16: D.A.negandhi  「Essence of or researches on nadi astrology vol.1及び3」(★★★★★)

   アスペクトは1,2,12,5,9,7。ブリグナディの解説。事例解説はなく,どの惑星とどの惑星が組み合わさるとどうなる,という解説が大半。そのほか,木星や土星のトランジットの効果,星座交換の効果の解説など。

 わかりやすいし実用性もあるが,内容が被っているところが極めて多く,vol1,3,4をすべて買う必要はなかったかもしれない。

 

 

n17: N.srinivasan shastry「Bhrigu nadi principles」sagarpublications(★★)

 ・アスペクトは,1,2,12,5,9,7でとるようだ。本人の性質は木星でみる前提で,「女性は金星でみる」という記述はない。

 ・ナーディルールの一般的説明はない。それぞれの星座に木星がいる場合の効果,土星がいる場合の効果,土星と木星がコンジャクトしている場合,2Hにいる場合,3Hにいる場合・・・・と,木星,土星それぞれについて,各コンジャクトや位置関係につき,半ページくらいの記述がひたすら並んでいる。ただし,よく読むと,「木星からみた6Hに火星があると,借金がある,警察と問題を抱える,兄弟と仲がわるい,など,結局,木星をアセンダントにして通常のパラシャラルールを当てはめたものにすぎない。ナーディを名乗ってよいか,疑問がある。

 

 

n18:Satyanarayana Naik 「Celestial matrix in naadi astrology」sagarpublications(★)

 全80ページ程度の薄い本。ヨギ、映画俳優、スポーツマンのホロスコープを各人1ページ程度で解説。ホラリーの解説も少しあり。ナーディルール全般の説明はなし。

ホロスコープ解説はアスペクトの範囲が広く、後付け感を免れない。

 同じラーシチャートは、DAYLORD、HORALORDで差をつけるらしいが、その解説例はひとつしかなく、具体論は不明。かなり中途半端な本。

 

 

n19:V.Raghuraman「Vedic Nadi astrology and career」 sterling publishers(★★★)

ごく簡単なナーディのルール説明のあと、58つのチャート職業解析。ナーディといいつつ、ラグナや10H考慮の、パラシャラ併用スタイル。アスペクトも通常のパラシャラアスペクトとナーディアスペクトが混在しており、後付臭が少しある。

 基本は、土星とラグナへの影響、たまに10Lで職業をみていく。星座をかなり性質多用。アルタやモクシャなどハウスの偏りもたまにみる。判断基準の一貫性はイマイチだが、説明は丁寧だし読みやすい。58例あるので、自分が立てた仮説の検証にも使える。

前書きに、「自分オリジナルの主張は書いていない」とあり、スッキリした構成とともに好感がもてる。

 

 

n20:Sri A.V.Sundaram「Insights in Nadis」SaptarishisPublications(★★★)

 124頁の薄い本。ナーディっぽい考え方だが,アセンダントやダシャーがある。具体的論点に関する言及はなく,「5Hは来世で9Hは前世」など,哲学的抽象論がかなり多い。「月とラーフが結合すると心が不安定」といったナーディルールは,巻末に90個,まとまっている。アスペクトは2,12,7,1,4,9。

 段落分けや囲み表示での強調など,本としては読みやすいが,内容はよくも悪くもない。

 

n21:Saptarishis Astrology「Bhrighu Saral Paddhati」SaptarishisPublications(★★)

 同名の書物のスートラ集。「土星からみた4Hにはアップダウンが生じる」「32才目の年に火星の4番目のアスペクトは効力を実現する」「30歳目の年にラーフはその効力を実現する」といった句の紹介と,それについて検証するいくつかのチャート,という形で36句紹介されている。パラシャラとは全く違った体系で読んでいて面白いが,「アップダウンが生じる」とか言われても抽象的過ぎて当否を判定しにくい。

 パラシャラでも各惑星に「成熟する」年が設定されているが,ルーツは同じなのかもしれない。

 

n22:R.Santhanam「Doctrines of Suka Nadi」Ranjan Publications(★)

 聖者sukaのスートラを英訳したもの。インド占星術の基礎のうすい解説と,「4Hに木星水星火星月が在住していれば,たくさんの息子に恵まれる」「土星からみた7Hに月火星ラーフがあり,3Lと6Lが星座交換しているとき,本人は一人っ子で兄弟がいない」といったスートラの羅列。

 

n23:K.B.Gopal Krishnan 「Practical Application of Nadi Techniques」(★★)

 ・BVB関係者による貴重なナディ本。K.N.Rao氏の前文付。

 ・基本的な技法は,例えば仕事なら土星からの10Hをみる,配偶者なら金星から7Hをみるなど。トランジットも当然ナディ流で,土星がドシュタナ以外にトランジットする場合は吉扱いであり,通常のパラシャラルールとは逆になっている。

 ・ただし,職種や婚期の解説はほとんどないし,紹介されている各ナディルールの使用例の記述も極めて薄く,これのみでは実用する気にならない。全111頁。

 

n24:J.N.Bhasin 「Sapta Rishi Nadi」Ranjan Publications(★★)

 サプタリシナディ掲載のチャートをもとに,予言の根拠を解説する本。薄目の一般ルールの記述に続き,各ハウスごとの項目でチャートが分類されている。父親が再婚したのは3H(9Hからみた7H)がこうアフリクトしているからだとか,兄弟がいないのは3Hがこうなっているだから,とか,そういった記述が主。

 基本はただのパラシャラルール(自室にいる惑星の影響をディスポジターが受けるなど,一部ナディ的なルールの使用はあるが)なので,購入する必要性にやや乏しい。