9Hとするか10Hとするか,その両方か,争いがある。
【メータ③171頁】
西洋占星術では10H=父親だが,ジョーティッシュでは通常9Hが父親であり,パラシャラも9Hとしている,としている。10Hは父親にとって2Hなので父親の寿命をみるのに使う,としている。
【K.N.Rao c17の117頁】
9室を父親としつつ、「父親に関しては、第10室とあわせて見る必要があります」とされている。訳者大森氏の注として、「9室は父親自身を表し、10室は父親としての役割(職業のように)を表す」とする説もある、との記載もある。
付録のウッタラカームリタによる象意では、四室が父親のハウスとなっている(216頁)。
【デフォー②143頁】
南インドでは父=グルであったため9H=父である,とする一方,10Hの象意の説明箇所にも父と表記がされている。
【フローリー⑤126頁】
9H=父としか書いていない。116頁のハウス展開の説明箇所でも9H=父としている。
【ブラハ㉓の236頁】
両方妥当するが、9室は父親をどう経験するかを表し、10室は父親に関連する物事を表す、とする。父親について訊かれたら、太陽をまずみろとも書かれている。
【まとめ】
9H説を排除する者は見当たらない。とりあえず,
①9Hは必ずみる
②場合により10Hも併せてみる
というのが穏当だろう。
【ラスc25の38頁】
「2回目の結婚は,ウパパダから8室目と7室から8室目(つまり2H)をみる」とある。
【ブラハ㉓223頁】
「9Hは2回目の結婚を表すんだ。2回目の結婚について違う部屋を診る占星術師がいるのはわかってる、けど、ぼくは9Hって教わったし、これはとても良く作用するよ。いくつか例をみてみよう。」
として、お互いバツイチである著者自身とその妻のチャートの解説に入り、乙女座在住の9Lに木星の影響があるから乙女座的、木星的な再婚相手だった(9Hに在住やアスペはない事例)、などとする。なお,再婚を分析する際、7Hとナヴァムシャから得られる情報がなくなるかについては,
「完全に、ではない。ネータル及びナヴァムシャの7Hはその人の総体的な傾向をあらわす。これらの傾向は完全に消えてなくなることはないよ。でも、キミはそれぞれのチャートを分けて分析しなくちゃならない。ぼくの妻みたいに、7Hと9Hが全然違っていて、初婚と再婚の結果が全然違うケースもある。」としている。
※9H説は,「初婚の妻の妹」というハウス展開の結果と思われる。
〇ナーディ占星術〇
【ナイキn1の164,173頁】
水星を二番目の配偶者としてみることが前提の記述が二か所ある。
【バシンn24の207頁】
父親の再婚の解説の話のあと,「本人の結婚の回数(the number of marriages)は,当然7Hと,8Hからみた7Hつまり2Hをみる」としている。ただし,同書174頁では,「二番目の妻は9Hからみる」という記述もある。
4Hか5Hか,争いがある。初等が2H,中等が4H,高等が5H,大学院レベルが9Hという使い分けもありうる。
【ラスc25の前文】
「真実は,4Hが教育を司るというものである。4Hから2H及び11Hは4Hにアルガラを持っている。ゆえに,5Hは,4Hからみて2Hであるため,4Hに影響を与え,教育によって得た知識を司る。4Hからみた11Hは会話を司る2Hであり,教育によって得た,会話や言語その他の技術を表す」とある。
【ゴエル⑩15頁等】
・3Hの象意に呼吸,4Hの象意に心臓,肺,胸,5Hの象意に心臓(別の意見)とある。
・心臓は太陽,呼吸・肺は月,首は水星に対応させている。
・ふたご座に首,かに座に肺と心臓,獅子座に上腹部を対応させている。
【チャラクc26の358頁】
4Hを胸,5Hを心臓・胃としている。
ケンドラトリコーナに吉星があり,ウパチャヤに凶星があるのが理想的なホロスコープである。
10室をウパチャヤに含めているかどうか,明確になっていない場合がある気がするが
デフォー②121頁,フローリー⑤119頁,ラオ28の91頁,BPHS8-36,すべて10室をウパチャヤに含めている。
【フローリー⑤119頁】
ちなみに,1,2,4,7,8Hはアパチャヤハウスであり,時とともに星の強さは失われていく。