【デフォー②254頁以下】
吉:生来的吉星または機能的吉星またはその部屋の支配星の在住・アスペがあるとき。特に,その星(注:吉星の意か支配星の意か?)が減衰やコンバースト,敵対星座在住でなければよい結果は確実
凶:生来的凶星または機能的凶星の在住・アスペがあり,吉星やアスペクトバックの影響がないとき。
【ブラハ㉓の118、222頁】
凶:その部屋に減衰星が在住、Lが減衰、Lに土星やケートゥその他の凶星の影響など。
吉:RY形成、高揚星在住、部屋やLに吉星の影響、Lが高揚など。
【私見】
基本だが,特に異論はない。例外則に注意のこと。
【デフォー②314頁】
高揚だがコンバースト・ラーフ火星の影響がある木星が2H在住の事例において,木星ダシャー解釈のMD在住室効力の文脈で,「木星期には貯金が少ない。金銭的な圧迫はあるが木星の吉的効力と高揚により大事には至らない。同様に家族関係も緊張があるが,このダシャーでは完全な崩壊には至らない」,との例がある。
【K.N.Rao c18の91頁】
ダシャー解釈原則解説の文脈で,「生来的凶星の1Lが6L,8L,またはマーラカLとコンジャクトしている場合,その期間は恐ろしい。病気や悲嘆などがありうる。しかし,そのコンビネーションに吉星の影響があるなら困難は緩和される」という記述がある。
【私見】
例えば火星と木星が一室でコンジャクトしている場合、
①火星の影響で事故が起こるが木星の保護により軽くて済む,など,併存させ程度にとりこむ解釈
②火星期に事故が起こり,木星期には良いことが起こる,など,時期でずらす解釈
両方がありえるが,①と②は排他的ではなく,両方妥当するのだろう。
ただし、ほとんどのハウス、ダシャーは吉凶混合となる。個人的には、ジャイミニを参考に、「数が多いか、度数が高い方が強く発現」というような、すっきりした読み方を基本としたい。ただし、凶星のダシャーには特に凶的事項が発現すると言わざるをえない。
【ラグラマンn19の111,122頁】
・ふたご座に5惑星集中事例で,本人が水星寄りの性質をもつことから職業を導いている。
・山羊座に5惑星集中事例で,アルタハウスであることから商業的性質をもつことを導いている。
【リヤン⑱の52頁】
分割図解説の文脈であるが,例えば月が9室蠍座で17度42分の位置にある場合,分割図をみると
・D3とD10では魚座に配当され,兄弟と仕事関係については魚座的影響
・D7では乙女座に配当され,子供や再創造については乙女座的影響
・D9では射手座に配当され,結婚については射手座的影響を及ぼす。
【K.N.Rao㉘の128頁~】
2,6,10Hの惑星集中をダーナヨガとしている。
【ブラハ㉓の120頁】
8室集中=哲学的、12室集中=スピや解脱に興味、6室集中=健康関係に興味。ただし、対向部屋にもアスペが集中することにも言及されている。
【私見】
惑星が集中すると,ダルマアルタカルマモクシャ,4元素,陰陽,星座の性質,ディスポジター、ダシャー的に発現するイベントが明確に偏ることになるので,まずはそれを解釈の際にきちんと前提としたい。また,分割図でどこに配当されるかもみる必要があろう。
生産的なプリディクションをするため,確率を整理しておこう。
生来的凶星に限ると,ある部屋が下記惑星の影響を受ける確率の概算は以下の通りである。
(厳密には,高揚で凶意が減るとか,アスペクトバックとかあるが,捨象する)
・火星,土星の影響を受ける:4/12=1/3
・太陽,ノードの影響を受ける:2/12=1/6
ゆえに,
【アフリクトなし】・・・31%
・上記4凶星の影響がいずれもない確率は,2/3×2/3×5/6×5/6=31%
【1アフリクト】・・・43%
・火星または土星の影響のみを受ける確率は,1/3×2/3×5/6×5/6×2=31%
・太陽またはノードの影響のみを受ける確率は,2/3×2/3×5/6×1/6×2=12%
【2アフリクト】・・・19.7%
・火星と土星の両方の影響を受け,太陽ノードと関連しない確率:1/3×1/3×5/6×5/6=7.7%
・火星または土星の影響を受け,太陽またはノードのいずれかと関連:12%
【3アフリクト】・・・4.2%
・火星土星さらに太陽またはノードのいずれかと関連:3%
・太陽及びノードに関連し,火星または土星の影響あり:1.2%
【4アフリクト】・・・0.3%
・4生来的凶星全部関連:0.3%
【まとめ】
凶星の影響なし:それだけで100人中上位30位に入る幸せ。木星の影響あれば上位1割。
1つ:平均的。40過ぎで高血圧と診断される確率と同じ。
2つ:下位2割。5人に1人レベルの不幸。1回離婚くらいか。
3つ:下位5%以下。20人に1人レベルの不幸。アラフィフで糖尿病の有病率と等しい。
4つ:300人に1人レベルの不幸。リウマチやパニック障害の有病率と等しい。
以上より,凶星の影響が1つあっても,平均レベルにとどまるとの予言をすべきことになる。
もちろん,ガンダーンダにあるとか,ドシュタナLの影響があるとか,木星の救済があるとか,例外はあるだろう。
また、下記のとおり空室は、生半可な凶星のアスペクトよりも凶と言ってよい可能性がある。
BPHSのラーシダシャーの解釈に、「星座に星がないとき、そのダシャーは好ましくなく、機能しない(defunct)」という記述があり(52章22節)、defunct=イベントフルではないという意味、という注釈がついている。
星が在住しなければ、「イベントが起きるダシャーが少ない」ことになるので、イベントが起きないという注釈に異論はない。
空室であると、吉でも凶でもなくニュートラルのような気がするが、イベントが起きない、つまり、結婚も子供の出産も家の取得も起きない、という意味では、凶と言っていいかもしれない。実際、未婚のひとは、7Hに凶星があるというより、スカスカの人が多いような気がする。
【分析以前】
10分,出生時刻を前にずらして,D1及びD9のラグナがずれないか確認。
ずれる場合はレクティファイするか,予言の抽象レベルをあげる。
【静的分析】
①惑星の強さ
(強さ)高揚と減衰(高揚点にどこまで近いかまでみる)。逆行,星座交換の有無、境界線上
(例外則)ニーチャバンガ,3・6・8減衰の有無
②惑星と部屋の状態
・凶)土火ラ集中,パーパカルタリ,8L在住やコンジャクト、ノードや凶星との極めて近いコンジャクトの有無
・吉)高揚、木星金星の影響下にある部屋
③ほかのラグナなどで並行検討
月ラグナ、アルーダラグナとジャイミニアスペクト・チャラカーラカ、ナディ、D9でみてみて、「共通して」悪い事項、良い事項を探す。4、9室ラグナでも見てみて、父母について何か言えるかも検討する。
【動的分析】
①ヨギーニは当然として、コンディショナルダシャーが使える場合は使う。ドゥビ,チャトル、シャタビカ、マンドゥークは頻出。
②チャラダシャーもざっとMDだけ見てみる。
③トランジットをみて,約束の発現時期を特定する。