「教えることに関係している」という抽象レベルでいいので,どんな分野で働く運命にあるか,読みとりたいところ。
【メータ③187頁】
・10H,10L。10LのD9におけるディスポジター。ただし,アセンダント・月・太陽の3ラグナからみたもののうち最強のもの。さらに1H,1L,太陽と月が絡むヨガなどほかにも多数挙げられている。「最強」の判断にはグラハバラを使うとも書かれている(同194頁)。
・10LのD9におけるディスポジターが水星であること,10Hに3Lの影響があること等をもって,本人が記者であるとする事例紹介あり(194頁)。
・土星の在住星座で判断する方法の記載もある(193頁)。
【ゴエル①47頁~】
・5LのナクシャトラL(教育),ラグナ及び月からみた10Hの在住惑星,アセンダント・月・太陽の3ラグナからみた10LのナヴァムシャL「その3つ全部」,10「ハウス」の頂点(ラグナ+15度)のナクシャトラL,D10の1H及び10H関連。「職業の象徴は10Hであり10Lではない。Lはハウスのマネージャーである」(同書38頁)と書かれており,興味深い。
【デフォー②113頁】
10Lのナヴァムシャにおけるディスポジターで判断とする古典の引用がある(jataka parijata15章44節)。例:乙女座ラグナの場合,水星がD9において木星星座に在住→ 教師など木星的仕事
〇ジャイミニ〇
・KLの在住惑星をみるようである(メータ③198頁)。KLに太陽があると政治,月と金星があると教育,火星があると火を使う仕事やエンジニア,水星があると商業や服の製造,木星があると哲学や宗教関連,ラーフがあると泥棒や医者など。KLからみた10H,4H,5Hもみるようだが記述が薄い。
・同書216頁では,KLからみた10Hをみている。
〇ナーディ〇
【 シャーストリn17の6頁】
土星の在住星座,土星の先にいる惑星により,職業を知ることができる。土星へのアスペクトは職業の方法やモードを表し,土星とコンジャクションする惑星は職業の階層(ヒエラルキー)またはその人にとっての位置づけを表す。土星からみた3Hへのアスペクトは,その人のスキルや仕事の仕方を表す。例えば,火星が土星からみて3Hにあれば手を使う仕事,太陽なら体か化学薬品,火を使う仕事,月なら頻繁に転職し,ホテル・レストラン・国外での仕事,とある。
【RGrao n14の7頁】
土星からみた2,5,9,7Hの惑星で判断(ナーディアスペクト)。
【私見】
パラシャラ系はパラメータが多すぎる。
10H重視と,ナーディ系の判断に魅力をおぼえている。どの占術でも同じ結果になるはずだが。
在住星が影響しないとする論者は存在しない。もっとも手堅い判断方法と思われる。ただし,
・例えば火星が在住していたとしても,文系の専門職なのか,エンジニアなのかは判別が難しい。
・複数の惑星の影響があると,やはり難しい。
【私見】
10Lの位置は,論理的に言って,職業に影響を及ぼしていないとおかしい。
しかし,職「種」に影響があるかと問われると微妙な気がしている。2Hに在住でも必ずしも食べ物関係ではないし,「話すことに関係する」というプリディクションはどの職業でも該当するので意味がない。在住惑星やアスペクトなら「複数」の影響がありうるが、支配星の位置は(星座交換を除き)複数というのはありえないが、複数の職業を経験する方がかなりいることを考えると、支配星の位置が職種に影響を与えるとするには理屈として厳しい部分がある。
仕事全体の方向性(職位や失業の有無など)をざっくり方向づけるだけかもしれない。
【10L在住室ごとの典型例】
1H:自営,成功,ヨガ教師や肉体労働,自宅での仕事,無職
2H:金融系,会話関係,食事
3H:凶。旅行,読み書き関係,出版,セラピスト,単純労働・失業
4H:農業,不動産,車,水関係,看護士,無職,主婦
5H:保育,投資,教師,医師など。10室からみると8室のため,凶。
6H:凶。金融系(借金の象意から),法律医療系,単純労働
7H:ビジネス,トレード,外国関係
8H:凶。オカルト関係,単純労働,調査業務
9H:奉仕,家業,法,教育(院レベル),旅行系,スピ,単純労働・失業。
10H:公務員,ハイポジション,政治
11H:会計,保険,金融,大企業勤め,副職あり
12H:凶。病院,外国関係,アンダーグラウンド,単純労働・失業
可動星座は旅行系や不安定職に傾き,不動星座は逆。
(参照 ゴエル氏①18頁以下,メータ③172頁以下など,参考文献多数)
書籍には,10Hの星座が何かが,職種に影響することが当然の前提のものが多い。ナチュラルゾディアックのハウスの象意も含んでいる。
牡羊座:軍事や機械
牡牛座:銀行などビジネス系、アート
ふたご座:文筆,メディア、商業
かに座:ホテル,主婦,医療系,旅行、飲食
獅子座:機械や化学系、公務員
乙女座:占い,教師,メディア文筆系,商業系
天秤座:法律(天秤なので)、アート、コンサルなど助言系
蠍座:研究,化学,医療系、機械関係,オカルト系
射手座:政治,法会計、社会正義
山羊座:重労働,低位の職、移動系
水瓶座:助言系,PC関係の技術系、研究
魚座:医療系,スピ系,旅行系、助言系
【ゴエル氏①39頁】
・火星土星Lは技術職
・太陽水星Lはセミテクニカル
・月木星金星Lはノン技術職
らしい。
【メータ③193頁】
・太陽L:警察,公務など
・月L:外国,液体や海,書きもの
・火星L:機械や体を使うもの
・金星L:マネー系
・水星L:取引,コミュニケーション,記者,大学,ヒーリング
【メータ③180頁】
・火の星座:エンジニア,機械,鉄,産業など
・風の星座:知的。哲学,ライティング,科学,調査
・地の星座:実務的。経済,建設,農業など
・水の星座:液体,化学,日常的,船
【ラグラマン n19の122、111頁】
惑星集中の場合、その星座の性質が特によく出ることが前提のリーディングがある。確かにそうかも。
ナーディでは,土星を中心に判断することで異論が見当たらない。土星からみた10Hをみる方もいる。
土+日:低賃金職、ストレスフル,公務員,家業
土+月:低賃金職,鬱,旅行系,飲食系、転職
土+火:低賃金職、転職,エンジニアなど機械系,警察系、調理系,専門職。特に土星が火L星座にいるとき。
土+水:教育関係,商売系,メディア系。特に土星が水L星座にいるとき。
土+木:高い地位,学者研究者,医者,法律会計、コンサル、独立職。仕事好き。モラルと学歴高い。
土+金:マネー系,月や金星星座が絡めば芸術系。
土+ラ:転職。外国関係,介護関係(祖父母の象意)、低賃金、映画
土+ケ:言語関係(ライター,教師など),占師などスピ関係,転職、アルバイト、副業
ヴィムダシャーのMDが何かは,その当時,就く職種に影響を与えている気がする。
ただし,ほかのナクシャトラダシャーを併用し始めると,収拾がつかない。
5Hや5Lなど,教育内容から判断する方法もいくつか紹介されている。
(ゴエル氏①36頁,メータ③183頁など)
しかし,私見では,直接,10Hから判断できないものが5Hから判断しうるとするのが,納得いかない。
また,必ずしも職業と教育がつながるわけではない。
むしろ,つながらない方が多いのではないか。
パラメーターは以上のとおり。
実際に問題になるのは,そこから「どう絞るか」である。
【絞ってはいけない場合】
下記の場合は,読み取る職業の数が複数になりえる。
よって,単一の職業を読み取ろうとすること自体が間違っている。
①10L,10Hに絡む惑星が複数
②11Hに木星(拡大)やラーフ(複数)が絡む
③土星が弱い → 職業を転々とすることが多い
土星やラグナ,月が弱いと,それなりの職業に就かないため,「コレ」という職業に就かず,事務作業やアルバイトなどに就いている方もかなり多い。
【絞り方】
現状,「絞り方」に特化して解説した本は見当たらないが,
①もっとも強い星
②ダシャー
③各占術や月ラグナ,D9,D10における,共通要素
あたりで絞るか,パラメータをもとから絞るほかないであろう。
ただし,適当にプリディクトすると,「将来就く職」を言ってしまう可能性がある。
同時に「その職に就く時期」についても厳密に検討しなければならない。