教科書的には,7H,7L,金星,金星からみた7H,D9の7H関係,ウパパダあたりを総合するわけだが,この時点で既にパラメーターが多すぎる。パラメータが多いと、必ず吉凶混合となり、結論が出せない。究極的にはD60までみないと100%の予言はできないのだから、「7Hに木星があってアフリクトないのに未婚」みたいな説明が非常に苦しい事案は、意図的に留保しておき、未婚のパラメータをいたずらに増やして無理矢理説明する方向にはいかないようにしたい。
以上を踏まえたうえで、
①必要十分なパラメータ
②パラメータがどの程度悪化すると生涯未婚となるか
確定する必要がある。
なお、古典をみると、未婚はサンヤーシヨガくらいで、あとは「再婚の可否」「妻の人数」といったカテゴリーで語られ、未婚事例がほとんどない。これは、10代でほぼ確実に全員が結婚していた文化と時代によるものであるから、現代の日本では、「古典における再婚=妻が2人=現代日本では妻が0人=未婚」と読み替えて勉強したい。
「兄弟数や子の数が7名」といったヨガがあっても、現代日本ではありえないので、人数を減じて読み替えるのと同じである。
基本は、やはり、7H、7L、金星のはずである。
それでは微妙な場合に、「それらとは独立して」
①火星と金星のアフリクト(ナディからみた未婚の可能性)
②DKやウパパダのアフリクト(ジャイミニからみた未婚の可能性)
で裏をとるべきであろう。以上を「単純に総合する」と、必ず吉凶混合となってしまい、実用性のある結論は出せない。「別の見地からみても結論は一致するはず」ということをテコに、ぐちゃまぜに総合するのではなく、並行して検討する必要がある。
アスペクトよりも、在住の方が影響を与えている気がする。
①ラーフ、ケートゥの7H在住
具体的には、ラーフやケートゥが7Hに「在住」すると、さらに土星や火星のアスペクト、7Lドシュタナ在住や減衰などで、未婚になる気がしている。KNラオ氏のリーディングで、7Hに月とケートゥがあり火星のアスペクトがあるものを、「まったく結婚していなかもしれない」と言っているのがある。
推し進めると、土星の7H在住も未婚を疑うべきであろう。
②木星、金星、自室や高揚の火星・土星の7H在住
また、木星、金星が7Hに「在住」していると、よほどのアフリクト要素がほかにない限り結婚するが、月や「アスペクト」のみだと微妙である。また、自室や高揚している凶星が7Hに「在住」していても結婚している気がする。
自室の土星が7Hに在住している事案で結婚しているのは、まま見る事案であるし、「ラオ先生のやさしいインド占星術」でも、自室の土星が7Hにいる事案で「結婚が続いていることを祝福した」とある。
③7Lのアフリクト
7Lがラーフケートゥと近い度数でコンジャクトしている場合も、あと1-2つ、凶要素があれば未婚になる気がしている。
④金星のアフリクト
金星がパーパカルタリのみで未婚、という事例も散見される。金星が自室にいても未婚をみることがあり、やはり周囲の状況が大切なのであろう。
基本的には、ラーフ・ケートゥは、本来存在しないところに星を見いだすものだから、影響力はかなり強いとみるべきである。また、土星も動きが重い星であるから同様である。逆に、月、水星、火星は「早い」星なので、相対的に影響力が少ない気がする。